2016年04月01日(金)16:12
「低栄養」が引き起こす問題とは・・・
高齢者に多く見られる「低栄養」を介護の現場から改善!
健康のためには、栄養バランスよく、適量の食事を摂ることが大切です。しかし、噛む力や飲む込む力が弱くなると、食べることが億劫になったり、食べるものが偏ったりして、栄養状態が悪くなりがちです。また、食事制限のある方はきちんとした栄養素量を調整する必要がありますが、十分に守れていないケースもあるようです。
なぜ栄養バランスの管理が重要なのでしょうか?それは、「低栄養状態」は様々な病気の起点になりやすいからです。低栄養になると、免疫力が低下して病気にかかりやすくなり、歩行が困難になるなど、介護が必要な状態にもつながります。
さらに、低栄養は「サルコペニア」という、進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群を招くリスクも孕んでいます。サルコペニアの具体的な症状は、活力低下、筋力低下・身体機能低下を引き起こし、活動の程度や消費エネルギー量の減少、食欲低下から、さらに栄養不良の状態を促進させる「フレイルティサイクル」に陥ってしまうとされています。
フレイルティとは、健康障害に対する脆弱性が増加している状態、すなわち健康障害に陥りやすい状態を指し、低栄養→サルコペニア→低栄養(より悪化した状態)→…という負の循環が繰り返されてしまうのです。しかも、これはご本人だけに留まる問題ではありません。
このサイクルは健康状態の悪化だけでなく、要介護度の悪化にもつながりやすいため、ご家族や関係者にも大きな負荷がかかる可能性があります。