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薬剤師が開発した誤薬防止認証システム

2016年04月08日(金)16:56

薬剤師が開発した誤薬防止認証システム



【現状】



事の始まりは、調剤を行っている特別養護老人ホームから施設職員への「薬に関する勉強会」の依頼だった。



勉強会の内容は、「誤薬」に対する職員への意識づけ、薬の危険性への理解だった。



介護施設では、入居者への服薬介助を行う必要がある。仮に入居者100名が1日3回服薬をするとなると、ひと月に9000回飲ませることになる。服薬介助の最中に他の入居者から呼ばれれば、対応することになる。人員不足と多忙にわたる対応をしながらの服薬介助。その中で「誤薬」は発生する。



「誤薬」はどこの施設でも少なからず有り得るインシデントやアクシデントである。



この施設では、「誤薬」に対する改善策を積み重ねてきたが、誤薬ゼロは難しかった。



また、他の施設の職員や施設長にも「誤薬」について聞いてみたが、やはり少なからず発生していた。ネットでも検索したところ、各施設それぞれ苦労をされている。発生数が少ない施設では、人員を十分に割いて確認作業を行っているが、多くの施設が潤沢に人員を配置できるわけではない。



【システム内容】



薬局で調剤される(一包化されたもの)薬と入居者個人とを照合し、間違いがないことを確認してから服薬する。



薬局からの薬は通常、入居者の氏名、服用時点(朝食後など)などが印字されている。これに加え、入居者のID・服用時点・服用日の情報の入った2次元バーコードを印字するだけで照合が可能となる。



入居者側の照合には、本人の静脈認証にて確認する。病院などでは、入院患者にバーコード付のリストバンドを装着しているケースが多いが、介護施設では馴染みがないので採用しなかった。また指紋認証は、高齢者の指紋の状態によって認識が難しくなることを考慮し静脈認証を導入した。タブレットPCで管理を行い、入居者の近くで照合を行うことが可能となった。



また、今まで注射薬を照合、管理していた病院でも同様に「誤薬」の心配があり、入院患者の内服薬に関しても照合し安全な管理が可能となった。

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